
アイドルグループ「仮面女子」のメンバーの猪狩ともかさんが話題になっています。
猪狩さんは、2018年4月11日、全国各地で強風が吹き荒れた日に、歩行中に、その強風が原因で倒れてきた看板が直撃するという不幸な事故に見舞われて、脊髄損傷により両下肢麻痺となり、車いす生活を余儀なくされています。

こういった事故が起きてしまった際に、その原因は何なのか、また、その責任の所在は誰にあるのか、気になってきます。
また、その責任があるものから、猪狩ともかさんへの補償方法や、補償金額なども併せて気になる事です。
今回は、そういった事を書いていきます。
事故の原因は何なのか?
さて、この不幸な事故ですが、普通に考えると猪狩さんに全く過失がなく、彼女の責任ではないと思います。
ですが、道路交通法などをはじめ、日本の法律には、首を傾げてしまうような理不尽が時折散見されます。
そこで、まずは今回の事故の原因について調べました。
今回の事故は東京の湯島聖堂という場所で起きました。
当時は強風が吹き荒れていましたので、その近くを通ってしまったことが原因ですが、事前に補修が必要かどうかわかっているくらいの瑕疵があったわけではありません。
この看板は歩道に面した敷地内に立ち、大きさは実に、縦約2.8メートル、横約4メートルにも及び、その近くを歩行したことが原因となってしまいました。
事故の責任の所在はどこにあるのか?
それでは、一番気になる、この事故の責任の所在ですが、弁護士さんの見解は以下の通りです。
「猪狩さんを直撃した看板は強風によって飛ばされたもので天災が関わるものですが、第一義的な責任ということで言えば看板の管理者になると思います。いつから設置している看板なのか、補修の状況はどうだったのかなどを見た上で、管理者が管理を怠っていないのであれば看板の所有者に責任が発生します。看板と事故が起きた現場の位置関係や、風の影響などによっても加害者の責任度合いは違ってくると思います」(弁護士)
引用:https://www.excite.co.jp/news/article/Myjitsu_050859/
「天災が原因だったとしても、事故当日のような強風が予想されたときに看板が飛ばされないような対策などをするのが所有者、管理者の務めです。歩行者側のリスク回避責任については、テレビやラジオで外出を控えるように強く注意喚起されていたり、わざわざ外れそうになっている看板が目に見えているのに自ら近づいた場合でなければ、問われることはないでしょう」(同・弁護士)
引用:https://www.excite.co.jp/news/article/Myjitsu_050859/
問題はその責任の所在だ。弁護士の高橋裕樹氏は「被害者が看板を揺すっていたなどの過失がなく、看板が湯島聖堂が設置、保存するものだった場合、湯島聖堂に全面的に責任がある。民事で済むとは思うが、仮にぐらついていた物を放置していたなど明らかに管理に問題があったとすれば業務上過失致死傷として刑事訴追になる可能性もある」と指摘する。
引用:https://www.zakzak.co.jp/ent/news/180511/ent1805116658-n1.html
二つのサイトから引用して、上の二つが同じ弁護士、一番下が違う弁護士の見解ですが、弁護士さんによっても見解が若干違うのがわかりますね。
実際の事故現場だけではなく、その事故に至るまでに、湯島聖堂の運営側が、きちんとメンテナンスしていたかという所がポイントになってきます。
現在は、その看板は撤去されています。

補償額はどのくらいか?
これだけの障害を負ってしまったのですから、もし湯島聖堂側が裁判で敗訴した場合に、賠償額はどのくらいになるのでしょうか。
これについても、弁護士の見解がありますので、引用しておきます。
賠償額については、「両下肢まひの後遺症になると、芸能活動の内容などに関係なく、労働能力を100%喪失していると判断される可能性がある。露出が多く知名度のあるアイドルが将来的な夢を奪われたことの慰謝料は、一般の女性に比べて高額になることもありうる。アイドルの収入の度合いにもよるが、将来的な収入を奪われたこと(逸失利益)や介護費と慰謝料なども含めれば、5000万~1億円超になる可能性もある」
引用:https://www.zakzak.co.jp/ent/news/180511/ent1805116658-n2.html
一般的に、交通事故で人間一人を死亡させてしまった時の賠償金が3億といわれていますから、それと比べても、猪狩さんの事故は、重篤な障害であるということがわかります。
まとめ
こういった事故が、二度と起こらないことを祈るばかりですが、その為にも、常に私たちの生活には危険が潜んでいるという意識を持つことが必要です。
「こんなはずじゃなかった」とか「知らなかった」などとは、自分が死んでしまったら、言うことはできません。
昔と違って現代の日本は、凶悪な犯罪が増えましたが、同時に昔では考えられないような甚大な被害をもたらす自然災害も増えてきています。
「もう、日本は安全ではない」
そのくらいの意識を持って、生活していて丁度良いくらいです。
常に危険を意識して、危険なパターンを頭に入れて、そのストックを絶えずアップデートしていきましょう。
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